確認日: 2026年7月12日。
Realtime APIを検討していると、「会話・翻訳・文字起こしのどれを選べばよいか」「1分の音声処理にいくらかかるのか」が先に気になります。ただし最初に決めるべきなのはモデル名ではなく、音声を入れてよい場面か、誰にAI利用を伝えるか、結果をどこで確認するかです。
OpenAIは2026年5月7日、Realtime API向けに GPT‑Realtime‑2、GPT‑Realtime‑Translate、GPT‑Realtime‑Whisper を案内しました。仕様と料金は変わるため、実装・契約の直前には公式発表と料金ページを開き直してください。
3つのモデルを用途で分ける
| やりたいこと | 最初に見る候補 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 話しながら質問に答える案内役 | GPT‑Realtime‑2 | 会話の途中で使うツール、誤答時の案内、音声の入出力量 |
| 異なる言語の会話をその場で補助する | GPT‑Realtime‑Translate | 対応言語、固有名詞の扱い、誤訳を止める方法 |
| 音声を字幕・メモに変える | GPT‑Realtime‑Whisper | 話者名の扱い、聞き取り違いの確認、保存先 |
GPT‑Realtime‑2 は、利用者が言い直したり途中で話題を変えたりする会話型の画面向けです。GPT‑Realtime‑Translate は、話者の発言に追従する翻訳用途、GPT‑Realtime‑Whisper は低遅延の文字起こし用途として公式に案内されています。どれも「会議を自動で正確に記録する」ことを保証するものではありません。人名、商品名、数字、金額、約束ごとは元の音声や資料と照らし合わせます。
料金は月額ではなく音声量から見積もる
2026年7月12日に確認した公式発表では、GPT‑Realtime‑2 は音声入力・出力トークン、Translate と Whisper は分単位の料金として案内されています。ここで価格だけを記事内の数字で固定して計算しないでください。実際には、会話の長さ、聞き返し、出力音声、キャッシュ、接続テストで量が変わります。
見積もり前は、次の4つを一枚に書きます。
- 1日あたり何分の音声を扱うか
- 利用者が聞く返答も音声にするか
- テスト用と本番用を分けるか
- 上限に達した時に、誰が止めるか
たとえば受付案内の試作なら、最初は「架空の問い合わせを5分だけ」「音声は録音せず画面上で確認」「上限を超えたら文字入力に切り替える」と決めます。料金ページで最新単価を確認してから、この分数を掛けると、月額だけを見て始めるより誤差を減らせます。
会議・顧客対応に使う前の停止線
音声には、氏名、電話番号、住所、健康情報、契約内容、未公開の売上などが混ざりやすい性質があります。録音や文字起こしを始める前に、利用者へ「AIを使うこと」「何のために扱うか」「別の連絡手段があるか」を分かる言葉で伝えます。法令や録音同意の扱いは地域・業種・契約で異なるため、社内の担当者または公式・専門窓口で確認してください。
次のどれかなら、実装を保留します。
- 参加者にAI利用を伝える方法が決まっていない
- 音声や文字起こしの保存先・削除手順が説明できない
- 顧客情報や機密情報を含む会話を、個人向けの検証環境で試そうとしている
- 聞き取り違いが起きた時に、人が確認・訂正する担当がいない
実装前に作る短い台本
まずは本物の会話を渡さず、架空の内容で流れを確認します。例: 「予約の候補日を二つ案内して。決められない時は担当者につなぐと伝えて。」
確認する順番は、(1) 期待した聞き返しがあるか、(2) 分からない時に推測せず止まれるか、(3) ツールを使う場合に何をしているか伝わるか、(4) 数字と固有名詞を人が確認できるか、の4つです。音声UIでは、自然な返答よりも、間違えた時に戻れることが大切です。
今日やる一歩
導入前に「用途: 例・社内FAQの読み上げ」「入れない情報: 氏名・注文番号・会議録」「人が確認する場所: 予約確定と金額」の3行だけを作ってください。その後、公式のRealtime API案内と料金ページで、利用予定モデル、最新料金、データ利用・地域要件を確認します。
Realtime APIは、会話を速くする手段であって、録音の同意、個人情報の扱い、最終判断を置き換えるものではありません。仕事で使う場合は、個人の試作で始めず、所属先の情報管理ルールを先に確認しましょう。

